コントロール不能なら、 SOSを出すしか道はない
幻覚・幻聴もひどくなり、
コントロール不能状態になっていた二十三歳の頃、
薬物の影響で睡眠も食事もまともに取らない日々が続き、
体重も今よりも二十キロ以上痩やせて、
いつ薬をやったのかすら分からない状態になっていました。
ある時、つい三十分ほど前に覚醒剤を体内に入れたにもかかわらず、
それを忘れてさらに追い打ちをかけて注射してしまったのです。
その時、体内にはおそらく致死量と呼ばれる量が入っていたと思いますが、
薬が体内に入ったとたん、心臓が止まりそうになり、
泡を吹いて失神してしまったのです。
場所は高速道路の路肩、気づいたのは二時間後、友人からの電話ででした。
もうすでに自分ではコントロールできない状態になっていたことに恐怖を感じ、
このままでは待っているのは〝死〟しかないと思うようになりました。
その後も二度、大きな事故を起こしかけて助かった出来事があったのですが、
二度目の時にダンプと正面衝突しかけた瞬間、とっさに死がよぎった私は、
「お母さん!」と絶叫したあと、車がスピンして運よくぶつからずにすんだ
という出来事がありました。
当時、疎遠になっていた母のことを叫んだ自分が恥ずかしくもありましたが、
自分自身が相当弱っているということを自覚し、
久しぶりに実家に戻ることにしました。
実家に戻って三ヵ月目のある日、
私の帰宅を待ち構えていた父親と口論になり、
親の目の前で覚醒剤を打つという行動に出た私、、、
それはまぎれもなくSOSでした。
それをやれば、警察に通報されるかもしれない。
それでもこのまま薬をやり続けるよりはいい。
死ぬよりはマシと思っていました。
結果的に父親は号泣しながら、
「お前は大事な息子だ! 俺たちが絶対助けてやる!」と私を抱きしめてくれ、
更生へのきっかけと勇気をもらうことができました。
今考えると私の場合、
SOSを出す場所があったのはとても幸運なことでしたが、
もしそういう場所がなかったのなら、薬物更生施設に頼ったり、
警察に自首することもやむを得なかったと思っています。
コントロール不能になって命を落とすぐらいなら、
薬物をやらなくてもすむ環境へ強制的に身を移すしか、
方法はありません。


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